山での遭難準備「コンパス・ジロー・ココヘリ」してますか?

警察庁まとめ「平成29年における山岳遭難の概況」によると、昨年・平成29(2017)年の山岳遭難における「発生件数」と「遭難者数」は統計の残る昭和36年以降でもっとも高い水準とのこと。

平成29(2017)年における山岳遭難の「発生件数」と「遭難者数」

  • 発生件数:2,583件(前年比+88件)
  • 遭難者数:3,111人(前年比+182人)

※出典元:警察庁「平成29年における山岳遭難の概況」

年齢別」にみると遭難者のうち40歳以上が2,421人(77.8%)。このうち60歳以上が1,588人(51.0%)です。

死者・行方不明者では40歳以上が315人(89.0%)60歳以上が229人(64.7%)ですから、遭難による死亡・行方不明のリスクは年齢に比例するかのようですね。

発生件数・遭難者数を平成29(2017)年と平成20(2008)年で比較すると、いずれもなんと2倍以上にふくれあがっています!

平成20(2008)年と比較した山岳遭難の「発生件数」と「遭難者数」

  • 発生件数:+952件(+58.3%)
  • 遭難者数:+1,178人(+60.9%)

※出典元:警察庁「平成29年における山岳遭難の概況」

登山ブーム」を背景に遭難事故が増えつづけているということでしょうか。

ただ「負傷者」「無事救出者」は発生件数・遭難者数の増加にともなって増えているのに、「死者・行方不明者」の数がそれほど伸びていないのは興味深いところ。

※出典元:警察庁「平成29年における山岳遭難の概況」

無事もしくは負傷しても救出される確率を計算してみたところ、平成20(2008)年は「約85%」です。

それが平成29(2017)年では「約88%」と90%近くまで向上しているので重大事故にならず生還する確率は高くなっていると言えるのではないでしょうか?

遭難の原因」については言及されていませんが、そのあたりは当事者になったつもりで読む「ドキュメント 道迷い遭難 」のような実話にもとづいた遭難体験がとても勉強になりますよね。

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●Compass(コンパス):オンラインで登山計画を共有する!

重大事故にならず生還する確率」が向上したのはレトリックや単なる偶然かも知れません。

そうだとしても、「GPS」「携帯電話」や「通信エリア拡大」など技術の進歩が寄与しているのは確かなことでしょう。

もちろん「遭難しない」のがベストですが、登山者ひとりひとりが「最新のIT技術」などをもっと能動的に駆使することで、山岳遭難や事故はさらに減らせるはず!

たかはし昇一は「遭難(しても生還)する準備」として「Compass(コンパス)」「jRO(ジロー)」「ココヘリ」を利用していますよ。

Compass(コンパス)」は、公益社団法人 日本山岳ガイド協会インフカム社が運営・管理する無料の「電子登山届」のサービス。

紙ベースの登山届」は記入するのがめんどうですし、提出したところで本当にだれかが保管・チェックしているのか疑問に思ったことはありませんか?

なんで「下山届」はないの?

これまで一方通行でアナログだった登山届の「電子化」と、登山計画の「共有」を可能にした画期的なシステムがCompass!

登山計画はパソコン・携帯電話などで入力できるので、自宅ではもちろん電車・バスなどでの移動中にも作成可能です。

Compassのサービス上に登山計画をアップロードすれば登山届提出が完了するだけでなく、「緊急連絡先」として登録した家族・友人そして協定が結ばれている県警・自治体などに登山計画の情報が共有されます。

関係者は必要に応じてその情報にアクセスができるので、登山者がどのルートを登る計画だったかなどの詳細をスピーディーに把握することが可能に。

これは遭難発生時の搜索・救助において大きなメリットになりますね。

また、Compassでは登録した家族・友人に無事下山したことを知らせる「下山完了」の登録が必須になっています。

下山完了の登録をせずにいると、まず「登山届を提出した本人のメールアドレス」に3時間後・5時間後・7時間後の計3回「催促メール」が届きます。

そして7時間後の催促メールでも反応がない場合は、「登録されている緊急連絡先のメールアドレス」に「下山未確認の警告メール」が送信されることになります。

災害救助の現場では「72時間(3日以内)」に救助されれば命が助かる確率が高いとされていますが、気象条件の厳しい山岳地帯での「緊急性」はよりシビア。

万が一のとき登山者が下山時刻に設定することが多いとされる「午後3時」から日付が変わらないうちに搜索につなげたいという思いから、催促の最後通告は7時間後にされています。

通常、山岳遭難が発生するとまず複数ある登山口から登山届を回収して1枚1枚紙をめくりながらチェックするそうです。

でも、それがとても時間がかかることなのは容易に想像できますし、どんなに気をつけていただいても見落としてしまう可能性だってありますよね。

初動が大切になる遭難時こそ、登山計画が電子データで共有されることは効果を発揮します!

遭難原因の約40%は「道迷い」。ぼくも道迷いは経験済みですが、あんなに混乱して冷静な判断が難しくなるとは思いませんでした。

態様別山岳遭難者

※出典元:警察庁「平成29年における山岳遭難の概況」

●jRO(ジロー):捜索・救助実費330万円まで補てんされる!

どんなにきちんと登山計画して登山届を提出したとしても、いつ2,583件・3,111人(2017年実績)あった遭難のうち1件・1人になるかはわからないもの。

もし遭難によって「救助要請」をした場合、発生する「費用」はだれが負担するのでしょうか?

救助費用は、救助を「行政」か「民間」どちらが行うかによって「負担者」が変わります。

行政が行う場合は基本的に無料ですが、民間が救助を行う場合は実費を費用請求されることになります。

このことは「警察」「消防」「自衛隊」や「民間ヘリ会社」によって行われている「ヘリコプターレスキュー」にもあてはまります。

警察・消防・自衛隊ヘリは無料民間ヘリは有料で、救助費用は遭難者自身が負担することに。

山岳遭難事故においてヘリコプターレスキューの導入は、その「機動性」によって搜索・救助活動のスピードアップを実現しました。

条件さえよければ、現場に向かったヘリコプターが1時間ほどで遭難者を救助してしまうことも!

山麓から現場に「救助隊」を送りこむことしかできなかった頃と比べ、いまは昔では助からなかった命が助かるケースもかなり増えているそうですよ。

ただヘリコプターレスキューには「コスト」というネックがあります。

民間ヘリレスキューのパイオニアである「東邦航空」の場合、搜索・救助の料金は1時間あたり46万5千円にもなります。

遭難現場が明確であれば1時間ほどで救助完了するので、救助隊員の費用を含めても50〜100万円程度の救助費用で済むそうですが、広範囲の搜索が必要になればそれだけ費用がかさむことになります。

有料・高額な民間ヘリではなく無料の警察・消防・自衛隊ヘリを「指定」すればいいように思えますが…救助要請者が「使用するヘリ」を選ぶことはできないのです!

どのヘリコプターも山岳遭難救助のためだけに配備されているわけではないので、救助に向かうヘリコプターは機体スケジュール事故現場状況などを考慮して決められます。

つまり、遭難し運よくヘリコプターレスキューで命は助かったものの民間ヘリ会社からの高額な救助費用請求に苦労する可能性があるわけです。

もし公的機関の人員以外に民間も含めた大規模な搜索・救助活動が行われた場合、人件費・日当のほか保険料・交通費・装備費・食費・宿泊費なども支払うことに。

ヘリコプターの飛行時間搜索・救助日数などによって大きく変動するものの、搜索・救助費用は一般的に100万円〜300万円と言われています。

Compassで登山届を提出し登山計画を共有しておけば「遭難エリア」がしぼられるので搜索・救助コストは抑えられそうですが、それにしても「高額」であることに変わりありませんよね?

そこで入会しておくと安心なのが「jRO(ジロー)」の会員制度!

jROは「Japan Rescue Organization(日本山岳救助機構)」の略称で、山を愛する人びとの相互扶助の精神によって運営されています。

会員特典の一環として、会員が遭難した場合「限度額330万円」まで搜索・救助費用の実費補てんをしてもらえます。

※出典元:jRO公式サイト

jROの会員制度は2008年スタートで会員数は徐々に増えており、2018年時点では7万人以上に及んでいます。

保険・共済ではないため「保険業法」や「保険契約者保護機構」は適用されませんが、なんと言ってもリーズナブルな会費が魅力です。

jROの会費(税抜き)

  • 入会金:2,000円
  • 年会費:2,000円
  • 事後分担金:750〜1,500円(見込み)

※出典元:jRO公式サイト

事後分担金」は1年間に発生した搜索・救助費用の総額会員総数で割って算出される金額。

遭難事故が少なければ会員の負担も軽くなるということですね。

心配なのは事故が多発したことによって事後分担金がふくれあがることですが…

2008年から2017年までの実績500円〜900円・平均660円と見込み金額を下回っています!

事後分担金の実績

  • 2008年:900円
  • 2009年:800円
  • 2010年:600円
  • 2011年:700円
  • 2012年:700円
  • 2013年:800円
  • 2014年:600円
  • 2015年:500円
  • 2016年:500円
  • 2017年:500円

⇨平均660円

※出典元:jRO公式サイト

初年度は「入会金」が必要ですが、次年度以降は3,000円程度の年会費と事後分担金搜索・救助費用の実費を限度額330万円まで補てんしてもらえます。

事後分担金をこれまでの平均値660円で仮定すると、2年目以降の月単位の負担金は約300円

たったこれだけの負担で万が一のときにはお金の心配なくヘリコプターレスキューによる搜索・救助をお願いできるというとてもありがたい会員制度。

ただ、いくら搜索・救助費用がjROから補てんされるとはいえヘリコプターはタクシーではないですし、救助隊員は命がけ

当然ながらあくまで万が一の利用にとどめて、安易は救助要請は控えるべきですよね。

●ココヘリ:ヒトココ携帯で搜索がスピーディーになる!

ヘリコプターレスキューは山岳遭難での搜索・救助活動に「革新」をもたらし、かつては助からなかった命を救うことも可能にしました。

搜索・救助費用の総額は一般的に100万円〜300万円と高額なものの命には代えられないですし、jRO会員になっておけば限度額330万円まで実費補てんされます。

とは言えヘリコプターの飛行時間搜索・救助日数などによって費用は大きく変わるもので救助隊も命がけですから、なるべく「早期解決」したいもの。

救助隊がいちばん困るのは、どこを目指しどのルートを歩いたのかなどについて「何の手がかりも残さずに入山して遭難する登山者」だそうです。

登山口に車が残っているけれど登山届は未提出…さらにだれともコミュニケーションをとった形跡がないとなれば山全体をしらみつぶしに搜索するしかありません。

広大な山でたったひとりの人間という小さな存在を探すのは、例えるなら野球グラウンドに落ちているたった1粒の米を見つけるようなもの。

どんなに機動性に優れるヘリコプターでも遭難者の「正確な位置」が把握できなければ、搜索・救助活動は困難を極め費用もかさむでしょう。

でもオーセンティックジャパン社の提供する「ココヘリ」の会員になっておけば、レンタルされる高精度な発信機「ヒトココ」で現在位置の詳細な座標を特定することが可能に!

ヒトココ自体は、親機・子機いずれも災害対策アイテムとして市販されています。

ココヘリは、ヒトココを活用した「搜索サービス」の名称。

遭難時に日本全国6社の提携ヘリコプター運行会社航空警察隊に情報を連携することで、よりスピーディーな搜索・救助活動を可能に!

会員は「発信機(子機)」を携帯し、ヘリコプターが「受信機(親機)」を搭載します。

※出典元:ココヘリ公式サイト

いまやだれもが持っているであろう携帯電話にも「GPS発信機」が搭載されていますが、山間部ではあまり役立ちません。

ヒトココは電波干渉にも強い周波数900MHzの電波を発信・受信するシステムにより、どんなに厳しい自然環境下でも遭難者の位置を半径2km前後からピンポイントで特定。

登山届の情報を参考にして該当するエリアに到着後、緯度・経度などの位置座標を特定するまでわずか30分ほどだそうです。

いまのところ搜索開始から発見までの所要時間はなんと3時間以内が100%

件数実績は3件とまだまだですが、「72時間の壁」を余裕でクリアーし生存率アップに貢献しています。

このシステムは警察・消防も搜索実験を行っていて、発信機を探知する親機の導入がすすんでいるそうですよ。

気になるココヘリの利用料金は初年度6,650円2年目以降3,650円。初年度の「入会金」はヒトココ発行代になります。

ココヘリの会費(税抜き)

  • 入会金:3,000円
  • 年会費:3,650円

※出典元:ココヘリ公式サイト

jROは事後分担金を2017年までの平均値660円で仮定した場合、2年目以降の負担額は年2,660円・月300円ほどです。

ココヘリも2年目以降の負担額は年3,650円・月300円程度なので、jRO・ココヘリの費用を合算しても年6,310円・月500円ほど1日あたり約20円

一般的な搜索・救助費用の総額は100万円〜300万円。年6,310円が100万円に到達するのは159年後…

1日20円ほどの金銭負担で遭難という重大事故から生還する確率が上がって費用も補てんされるのですから、jRO・ココヘリの会員にならない手はありませんよね?

ココヘリには「協賛団体」も増えていて、実はjROもそのひとつ。

jROはもともと「ヤマモリ(山のお守り)」とネーミングした「jRO版ヒトココ」を会員へ販売・レンタルしていました。

その後、オーセンティックジャパン社がココヘリのサービスを開始したことからコラボレーションし、「ジロココプラン」を提供しています。

jRO会員がジロココプランを活用することでココヘリの入会金3,000円と、初年度会費・次年度会費の合計7,300円が無になるというお得な内容!

jRO版ヒトココがヤマモリで、jRO・ココヘリのコラボでヒトココを利用するのがジロココプラン。なんだかとてもややこしいのですが…

ヒトココは、入手元によってデザイン・マークが微妙に異なっています。

  • 市販品 :無地
  • ヤマモリ:お守り
  • ココヘリ:ヘリコプター
  • ジロココ:救助犬ジロー

ぼくはもともとjRO会員で、ジロココプランを活用してココヘリ会員になったため「救助犬ジロー版」の発信機です。

質感よく印刷の発色もきれいですし、なんだか愛嬌がある救助犬ジローのイラストもお気に入り。

せっかくの発信機も持って歩かなければ意味がないですよね。

ヒトココは重量わずか20g程度と軽量でサイズも大きめの消しゴムほどのコンパクトさ。さらに「防水」なので携帯をためらわないスペックです。

素材は頑丈なポリカーボネート。

パナソニックグループ会社の製造で、信頼性が高い「MADE IN JAPAN」!

充電は防水Micro USBポートから。

フル充電の状態から3ヶ月持続するという優秀なバッテリー性能です。

発信機のセンターにある起動スイッチを付属のピンで押せば通信状態に。

発信・受信が機能しているかは全国の登山・スポーツショップで実機検証できるので、山に持ち出すまえに念のためのテストをしておくと安心です。

ヒトココには端末ごとに設定された「会員ID」がプリントされているので、同封の用紙に記入して登山計画を共有する家族・友人に渡しておくとより安心です。

用紙にはココヘリ会員専用「搜索要請コールセンター」の電話番号も記載されています(画像はマスキング済み)。

コールセンターでは会員本人や家族・友人からの搜索要請を365日24時間体制で受け付けていて、2コール以内の応答を確約しています。

ここに電話したり電話してもらうことは一度もないようにしたいものですが…

搜索・救助が必要なときこのコールセンターに電話すれば、発信機の電波をキャッチする受信機を搭載したヘリコプターを手配してもらえます。

発信機に固有の会員IDが付与されていることから、おなじエリアにヒトココを持っている登山者が「複数人」いても対象者のみをピンポイントで特定できます。

大規模停電発生時でも通常どおりのオペレーションが可能なよう、「自家発電設備」による電力パックアップも万全。

さらにオペレーター全員が「警備員」の資格保有者で訓練を受けているとのことですから、もしパニック状態で通報しても適切に対処してもらえるのは心強いですね。

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●MOT(モット):遭難の防止・早期発見・救助に取り組む!

  1. 「Compass(コンパス)」:登山届を提出
  2. 「jRO(ジロー)」:山岳遭難対策制度に加入
  3. 「ココヘリ」:登山者位置通報機器を装備

Compass・jRO・ココヘリを利用することは、jROの提唱する山岳遭難の防止・早期発見・救助のための取り組み「MOT(Missing 0 Triangle)」へ参画することを意味します。

遭難では命の危険搜索・救助費用がクローズアップされがちですが、じつは表面化していないリスクも多くあることはあまり知られていません。

たとえば遭難時の搜索が長期化して「失踪者扱い」になると死亡認定まで最長7年の歳月がかかるので、残された家族は「生命保険金」を受けとれないばかりか保険料を払いつづける必要があります。

また「住宅ローン」についても死亡認定されるまでは債務弁済が適用されないため、「団信保険金」も受けとれません。

さらに遭難者が会社員であれば勤務先から「無断欠勤」を理由に「解雇」され、退職金0になる可能性も。

残された家族に経済的な負担を強いることをしないためには、jROのような搜索・救助費用を補てんする山岳遭難対策制度に入会するだけでなく搜索が長期化しても発見に至ることが重要になります。

ぼくは以前から「遭難してはいけない」という意識はありましたが、「絶対行方不明遭難はしてはいけない」と認識をあらためました。

Compassによる登山計画の共有は便利で有効ですが、実際は道に迷って「計画とは違うルート」を歩いていたり「エスケープルート」を選択する可能性もあります。

登山届を信じたばかりに救助隊が見当違いのエリアを搜索するようなことになってしまえば、搜索・救助は遅れる一方ですよね。

そんなときでもココヘリがあれば「事前の情報」や「現場の経験則」に左右されず、客観的に「現在位置の正確な座標」を割り出せます。

山岳遭難の防止・早期発見・救助を目的としたCompass・jRO・ココヘリは、3つのシステムがそろうことで強固な人命救助のトライアングルになるんですね。

MOTは登山者自身のためでもあり、家族・友人・職場悲しみや心痛そして経済的苦痛・社会的損害を与えないためにも重要な取り組みです。

さらにMOTとともに「ビバーク」の準備も欠かしてはいけないでしょう。時刻や天候によってその日のうちに搜索が開始されない可能性もあるからです。

たとえ低山の日帰り・小屋泊の予定でも「ツェルト」「エマージェンシーシート」「防寒具」や「火器」などは必携。

もしこれらがその場にあったならば結果は違っていたのではないか、という遭難事故の事例は数多くあります…

搜索・救助要請やビバークをする・しないの判断は難しい選択になるでしょうが、体力・時刻などの状況を考慮して「無理せず早めの決断」が鉄則です。

ビバークの場所はできるだけ風雨が避けられる樹林帯・岩陰のフラットな場所が選べればベスト。

危険な場所でビバークするはめにならないためにも、明るいうちに決断することは重要ですね。

ビバークする場所が決まったらツェルトを設営するわけですが、定番のアライテント「ビバークツェルト1ロング」のような1枚布タイプは汎用性が高い一方で、きちんと設営するには技術・経験などが必要に。

かぶる・くるまる・下に敷く・タープや簡易テントにする」など状況に応じて多目的に使えるというメリットはありますが、ビギナーなどツェルト慣れしていない人には扱いづらいのが正直なところ。

広くてフラットかつ細引きで固定ができるような理想的なスペースが確保できるとは限らないでしょう。

それに本気の緊急時こそ、かぶる・くるまるぐらいしかできないのではないでしょうか?

ぼくは「かぶる」に特化したものと「自立」するタイプのツェルトを山行形態や状況に応じて持参するようにしています。

Juza Field Gear(ジュウザ・フィールドギア)の「Em-Shelter 1 UL(エム・シェルター1 ウルトラライト」は経験や設営技術がなくても「かぶって座るだけ」というシンプルなコンセプトのモデルです。

重量170g程度と軽量で、収納サイズも8×8×12cmと超コンパクト。

設営サイズは120×60×90cmでちょっと変わった「ボックス型」です。

バックパックを外に出せば2人が向かいあって座ることができる大きさがあり、ベンチレーターがあるおかげで息苦しくなりにくという特徴もあります。

mont-bell(モンベル)の「U.L.ドームシェルター 1型」はドーム型・インナーポール式で「自立」するタイプ。

軽量・コンパクトで設営も簡単なので、ぼくはこのシェルターを通常のテント泊で使用することもあります。

ダブルウォールテントと比べてしまうと「居住性」は劣りますが、ツェルトと比べれば断然快適でしょう。

もはやビバークというよりテント泊?

むかしのテント泊は非自立式・ツェルトが一般的で、そこから自立式・ツェルト自立式・ダブルウォールテントと進化した経緯があります。

そのことを踏まえると自立式・ツェルト=シェルターは、意外と耐候性・重量・居住性や設営のしやすさなどバランスが取れているかも知れませんね。

遭難時は疲労しているでしょうから体力を温存・回復させるため可能なかぎり睡眠をとりたいところですが、ビバークでは「寒さ」が大敵になります。

山中は冷えこむのでツェルトだけで眠ることは困難。ビバークでの「防寒対策」はエマージェンシーシートがセットだと考えておくべきでしょう。

エマージェンシーシートもSOL(ソル)の「エマージェンシーブランケット」のような超軽量・コンパクト多目的に使用できる1枚布のブランケットタイプが定番品。

でも「サバイバルポンチョ」「エマージェンシーヴィヴィ」や「エスケープヴィヴィ」のようなタイプの方が、しっかり「くるまる」ことができて密閉性が高く保温性にも優れるでしょう。

とくに「エスケープヴィヴィ」は内部の湿気を逃がす透湿性素材が採用されていて、これ単体はもちろんインナー・カバーとしてシュラフと併用できるので一石二鳥です!

断熱」のため体の下に中身を出したバックパックを敷き、ツェルトの中で防寒具を着こんでエマージェンシーシートにくるまり温かい飲み物を飲んで暖をとる。

これができるビバークとできないビバークには天と地ほどの差があるでしょう。

まさに「備えあれば憂いなし」ですね。

ぼくは山に向かうたび「今回こそ遭難するかも知れない」といった不安と恐怖に襲われます。

実際とんでもない道迷いをした経験もありますし、これまで無事に帰ってこれたのは単に「運がよかっただけ」なのかも知れません。

ドキュメント 道迷い遭難 」では、人間の「慢心」「焦り」「不安」といった心理的要素が判断ミスを招いて、遭難につながっていく様子がよく読みとれます。

遭難は、山域やビギナー・ベテランを問わず「ほんの紙一重の差」で起きるもの。

どんなに準備し注意していても、不慮のアクシデントでいつ自分に「そのとき」が訪れるかわかりません。

しかしながら登山は危険と隣あわせだと分かっていても、まるで人生を体現したかのような「山の魅力」を知ってしまうと簡単にやめることはできないですよね。

山の知識を深め経験を積むことはもちろん大切ですが、安心して登山を楽しむうえで「いざとなれば最終手段がある」と思えるかどうかは心理的に大きな違いになります。

MOTを実践すると命・お金の心配に対して「ゆとり」が生まれるので、無理して事態を深刻化させてしまうことを抑止する効果もあるでしょう。

登山するなら、遭難防止・早期発見・救助のため「Compass(コンパス)」「jRO(ジロー)」「ココヘリ」の利用・入会はもはやマスト。

ぼくは山が好きだからこそ、いつまでも山を好きでいるために、山で遭難しない・遭難しても必ず帰ってくることをここに誓います!

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ABOUTこの記事をかいた人

たかはし昇一

30歳から3つの「と」(投資・登山・トレーニング)を習慣にしたら人生が変わった金融系サラリーマン!1985年生まれ、東京都23区内在住です。2034年までに金融資産3,000万円の「アッパーマス層」になります!「収入を増やす」「支出を減らす」「投資で増やす」をコツコツ実践中!